知っておきたい5つのこと
知っているようで意外に知らない、食品ロスのこと。
ここでは食品ロス問題の基本的な情報や様々な影響を5つのテーマに分けてご紹介します。
知っているようで意外に知らない、食品ロスのこと。
ここでは食品ロス問題の基本的な情報や様々な影響を5つのテーマに分けてご紹介します。
売れ残りや食べ残しなど、本来食べられるのに捨てられてしまう食品を日本では「食品ロス」と言います。印字ミスや箱つぶれ、製造過程で食べやすい大きさや容器に入る重量に原料をカットするなどで廃棄される食品も食品ロスに含みます。
日本では「食べられるかどうか」を基準に食品ロスを定義していますが、海外では食品廃棄物が発生する工程を基準に「フードロス」と「フードウェイスト」の2つの言葉を使って区別しています。
生産や製造・加工、流通で発生する食品廃棄物を「フードロス」、小売や外食、家庭などで発生する食品廃棄物を「フードウェイスト」と呼んでいます。「食品ロス」と「フードロス」。この2つの言葉は同じように使われがちですが、実は意味が異なる言葉なのです。
日本の食品ロスが定義されたのは「食品ロス統計調査(農林水産省)」がはじまった2000年。当時、世界一早く日本がこの問題に取り組み始めたため、日本特有の定義として残っており、日本と世界で言葉の意味が異なると考えられています。
この「ロスをロスするProject」のサイト内では、「本来食べられるのに捨ててしまう食品」という日本の食品ロスの定義に合わせて、名称を『食品ロス』に統一し発信していきます。
肉も魚も野菜も、生き物の命をいただいています。まだ食べられるのに捨ててしまうことは、命を粗末に扱うことに直結します。また、肉や魚、野菜はすぐに「食べ物」になる訳ではなく、育てる・収穫する・加工するなどの工程を経て私たちに届けられています。その過程では人手やエネルギー、水などの資源が使われており、食品ロスを出すことは生命だけでなく、労力や資源、お金の無駄遣いにつながります。
水分を多く含む生ゴミは燃やす際に余計なエネルギーがかかり、このゴミ処理のため年間約2兆円※以上の費用がかかっています。焼却炉でゴミを燃やした際に温室効果ガスである二酸化炭素が発生することによって、地球温暖化も進んでしまいます。食品ロス問題に取り組むと同時に、このような環境負荷増大の問題にも目を向けていかなくてはなりません。※環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等について」より
賞味期限と消費期限。この違いをご存知ですか?
賞味期限は「おいしく食べられる期限」。期限後もすぐに品質が落ちないため、期限が過ぎてもすぐに捨てる必要はありません。インスタント食品や缶詰、レトルト食品、調味料などに設定されるのが賞味期限にあたります。一方、肉や魚、調理した食品など傷みやすく劣化しやすい食品に設定されているのが消費期限です。こちらは「安全に食べられる期限」で、期限を過ぎたら食べない方がいいとされています。
賞味期限も消費期限も、商品に表示された保存方法を守り、未開封の状態で保存した場合の期限です。それぞれの特徴を理解し、期限内に食べる工夫が必要です。これから購入する食材や食品をいつ食べる予定なのか、考えながら買うことも食品ロスにつながります。
家庭で発生している食品ロスには、3つの原因があります。1つは「過剰除去」。聞き慣れない言葉ですが、主に野菜や果物の食べられる部分まで取り除き過ぎたものを指します。もう1つは食べ残し。そして食べ残しと同じくらい多いのが「直接廃棄」です。直接廃棄には消費期限・賞味期限が切れて捨てられているものも含まれますが、期限前にも関わらず、未開封のまま捨てられているものが多く含まれています。
頂き物だけど味が好みではない、多く買い過ぎてしまった、など理由は様々ですが、「03実は大きく意味が違う賞味期限と消費期限」で紹介した「賞味期限」と「消費期限」の違いを理解し、友人や親戚、職場でおすそわけしたり、フードドライブを活用するなど、捨てない工夫で食品ロスを回避できます。
フードバンク団体や市役所、食品ロス削減運動を推進する小売店などが日にちや場所を決めて食品を集め、食べ物が必要なところへ食品を提供する活動です。家庭にあるレトルト食品や缶詰などが残っていないかチェックして、余っていたらフードドライブへ持っていくと、必要な人に行き渡り、食品ロス削減にもつながります。
農林水産省が発表した2021年度の日本の食品ロス発生量は約523万トン。国民一人当たり1日約114g、年間約42kg※に相当します。国が掲げている目標は2030年度までに489万トンまで引き下げることです。この目標は2000年度の結果から約半分まで減らすというもの。これまで順調に減少していましたが、2012年頃から足踏みをはじめています。目標達成は容易なことではありませんが、事業系食品ロス(社会の仕組み)と家庭系食品ロス(個人ができること)の両面で協力し、一人ひとりが努力を積み重ねていけば、やがてそれらが大きな力になり、きっと目標を達成できるはずです。わたしたちロスをロスするProjectも、この目標に向かって様々な提案を行っていきたいと考えています。※出典:「日本の食品ロスの状況(令和3年度)」(農林水産省)より